2016年2月19日金曜日

水縁プロジェクト~福島邦光氏~その1

11回目の水縁プロジェクトは、御手船場の福島造船会長の

福島邦光さまをお招きして「松江の水辺について」

という演題でお話を聞きました。

 

 

開会前にご挨拶を申し上げましたが「あなたのことは良く存じ上げている」

と仰って頂き恐縮しました。

かなりの高齢と思われますが、正に《矍鑠として》素晴らしい

1時間10分の講演でした。

 

 

驚いたのが会社(福島造船)の封筒に

「水縁プロジェクト委員会資料(2016.feb.18)」

とシール印刷してあり、上の写真を表紙に10ページの資料。

そして、2枚の古地図と水害に関する地図。

その上に27.7.20に日付の入った

「御船屋資料」と言う11ページ5種類の資料が入っていました。

講演が始まる前からこの資料を拝見して「凄い!!」と感じました。

 

この資料にも

2016.FEB.18 於 松江商工会議所水縁プロジェクト委員会

       向島町 福島邦光  とありました。

 

福島家は、松江藩2代京極忠晴について

若狭の国から船大工として松江に来た。

この誌面には、

①御船屋について   松江藩の水運関わる役所現在の東本町2丁目~

               5丁目に設置されていた。

②御船奉行について  御船屋の総括責任者で100石の役料であった。

③御手船方について  最盛期には、七万俵を限度として1000石船で輸送

                販売した。

④櫨(はぜ)木土手   現TSKや合庁建設地の土手は、櫨の木が栽培され

                ていた。幕末には、水夫の訓練場であったり大砲術

                では、オランダ式→フランス式→英国式。

                昭和52年までは福島造船の工場があり、1300トン

                全長67メートルまでの船は造っていた。

⑤千貝妥(ちがいだまり)   西尾町にあり住吉神社、東照宮別院などがあっ

                   た。帰りには、楽山公園に立ち寄った。

⑥隠岐巡察

⑦宍道湖、大橋川の灯台   などの項目について説明が記載されています。

 

 

 これが、2ページ目です。このページは

⑧松平治郷(不昧)について  茶道具を収集する財力を得たのは密貿易の

                    利益があったのでは~~?

⑨浜田藩の会津屋金助八衛門事件について

⑩為替レートについて   アメリカとの当時の為替レートが存在した。

                 1ドルは0,75両であった。

⑪松江藩の外国製軍艦購入について   第1番八雲丸  10万ドル

                           第2番八雲丸   7万ドル

              長崎のグラバー亭経由での購入であったようです。

              第1八雲丸は、明治元年官軍の用務中能登沖で沈没 

              第2八雲丸は、同年英国に転売

 

⑫生麦事件 賠償金について  賠償金は、2万5千ポンド(37万5千両)

⑬松江城の無血開城(明治元年1868年)について

                  無血開城の代価は、15万両

           これを払うことが出来なかった会津藩は、焼打ちにあった。

 

 

この3ページには、

⑭会津戦争と結末について

⑮一両の価値計算について

⑯各支払金の現在価格換算について

⑰松江城建造費推定について

⑱大橋川の洪水について

⑲堤防上にモニュメント設置要望について

 

2ページ目までと同様に詳しく調べてご説明をいただきました。

初めてお聞きすることの多いとても有益なお話でした。

 
 

 

4ページには、

「御召参拾挺立御船図」

そして「第1番八雲丸」

「第2番八雲丸」の写真です。

 

 

そして、福島会長自ら重要とされる歴史年表が掲載されています。

 

 

 国土交通省が示した洪水のメカニズムの写真もあります。

 

 

そして、この表は、松江市の水害の年表です。

 

 

これも国交省が示した流量の図です。

 

 

これは、大橋川の拡幅改修事業の必要性、工事計画、

そして水理計算の資料です。

 

 

この表も国交省の水位データです。

 


 

話の途中ではこの2枚の地図を示しながら

位置関係も良く理解できました。


 

この日の山陰中央新報の記事に国宝になった

松江城と周辺の地域を「世界遺産」認定を

目指そうとの記事もありましたが、

このように水運、造船関係のお話だけでもこれだけの

内容があれば松江城周辺の歴史をあらゆる分野で検証し

実証できれば十分に可能性はあるのではと感じます。

本当に松江のポテンシャルは凄い!!と感じました。

 

非常に長くなりました。

この後はその2に続きます。

 

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